こんにちはたくやんです!
今回は糖尿病治療薬のSGLT2〜後編〜について紹介していきたいと思います!
それでは〜れっつらごー∠( ’ω’ )/
前回のあらすじ
SGLT2阻害薬は糖尿病治療薬でとても良い薬として
臨床でよく処方されます。
ですがよく処方されるのは血糖値を下げるだけの目的ではない
と言うのがこの薬のすごいところです。
それは腎保護機構も持ち合わせていると言うところでした。
後編ではさらに深い内容をお伝えしようと思います。
そしてSGLT2が面白いのはここからです。
知っている方も多いと思いますが心不全の適応もとったんですよね。
それがフォシーガ錠です🙆♂️
え??糖尿病治療薬が??
って思いますよね。
でも作用機序的には当たり前なんですよね
続いてはその解説を行いたいともます。
皆さんはおしっこってある意味薬になるは知っていますか?
汚ねぇぇ
違うんですこの発想がとても大事で
浮腫んだら
利尿薬でナトリウムの再吸収抑えておしっこいっぱい出させますよね?
じゃぁ逆に夏場に脱水なったらどうします?
塩分取って水取りますよね???
なんか真逆のことしてませんか??
ってことはおしっこで代用できませんか?
ここでこちらを見ていただきたいんですが
はい、体水分の分布割合〜〜〜(ドラえもん風に)
見て貰えばわかるとおり
細胞内と細胞外では大体2:1で
細胞外の中でも間質と血管では大体3:1で分布していて
もちろんこれは浸透圧の差がそうさせているんですが
細胞内外の浸透圧比は電解質が、間質血管はタンパク質が分配比を
決めさせています。
じゃぁここで身体にいろんな輸液を1000ml輸液してみようぜ!
って考えてみましょう。
3つ用意しましたがそれぞれの分配比に注目しながら見てみてください👌
生理食塩水
生理食塩水は血液と等張で電解質による浸透圧は変化させません。
そのため間質とは水分を分配するのに対し、細胞内に水分を分配することはありません。
1000mlの生理食塩水を入れると間質に750ml、血管に250ml行き渡ります。
5%ブドウ糖輸液
5%ブドウ糖輸液は血管に入れた瞬間成分のブドウ糖が
インスリンの働きなどによって分解されるため
実質的には真水を入れたのと同じということになります。
すると、電解質による浸透圧もタンパク質による浸透圧も共に変化させられる
細胞内、間質、血管の全てに水分が分配されます。
1000mlのブドウ糖輸液を入れると 細胞内に667ml、間質に250ml、血管に83ml行き渡ります。
アルブミン液(4〜5%)
アルブミン液は細かいことは抜きにして全て血管に止まる輸液です!
救急で失血状態に患者に輸液して循環血液量確保するならアルブミン液!!
と行きたいところですが国が許してくれません。アルブミン液高級品なんで
生理食塩水とかで代用するんですね…こんなことすると間質に水溜まるんでドレナージとかしながら… 日々救命医の先生方お疲れ様です。
1000mlのアルブミン液を入れると 血管内に1000ml全てが留まります。
そして何より伝えたいことは輸液は利尿薬の裏返しであるということです。
そう、
生理食塩水がおしっことして出ている状態はいわゆる電解質利尿をしている
⇨ループ系、チアジド系
5%ブドウ糖輸液がおしっことして出てきている状態はいわゆる真水でも同じことが言えるため
⇨SGLT2阻害薬、V受容体阻害薬(サムスカ)
というふうに言い換えることができます。
ということはSGLT2阻害薬はサムスカと同じところから水を引っ張れる
⇨浮腫の原因である細胞内や間質から水を引っ張ることができるということなのです。
ですので心不全の適応を取ることはなんらおかしな話ではないのです。
話が脱線しますが、
「ラシックスって心不全の予後を悪くする」
って聞いたことありませんか?
シンプルに糸球体には悪影響で
先ほどのマクラデンサではclイオンを感知してeGFRを調整すると言いましたが
マクラデンサが持っている感知するためのチャネルが
ループ利尿薬の作用点と同じ担体であるため
投与することでclイオン濃度を感知させてあげられず
過剰濾過を亢進させてしまう傾向にあるんですね。
しかし、先ほども言ったように利尿薬は種類によって水をひっぱってくるところが違います。
となるとSGLT2阻害薬やサムスカでは引っ張れない水があるのです。
それが「血管の水」です。
細胞内や間質の水はしっかり引っ張ってくれるのに対して
血管内脱水を起こすことができないため心臓の前(後)負荷を取ることができません。
そのためラシックスなどを併用する必要があるんですね〜
面白い!!!!!
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