高血圧治療薬の使い分け!〜Ca拮抗薬〜処方意図や特性を知ろう

今回は高血圧治療薬の「Cα拮抗薬」に関してまとめてみました🙆‍♂️

最後に処方解析の勉強タイムも設けていますので
最後までご覧ください💪

高血圧治療薬について

皆さんご存知の通り高血圧治療薬にはさまざまな種類がある!
さらにそれらは病態ごとに積極的適応が定められています。

それではCa拮抗薬を詳しくみていきましょう!

作用機序

Ca拮抗薬は細胞膜上の電位依存性Caチャネルに結合することでCa流入を阻害し、
活動電位を起こさないことで
血管平滑筋の収縮を抑制します。
また、Ca拮抗薬という分類でも一概に同じ作用を示すわけではありません😔
それはCaチャネルにサブタイプが存在することに起因します。

サブタイプは3つでL型、T型、N型である。
それぞれ発現量が部位ごとに異なりそれらの選択性を上げることで狙った効果が得られます👌

L型Caチャネル

存在部位:心臓、血管平滑筋
機能:興奮、収縮
特徴:主にCa拮抗薬の作用点はこのL型Caチャネル。血管平滑筋に多く存在し血管の収縮に関わる。
L型Caチャネルへの結合部位の違いにより、
ジヒドロピリジン系(DHP)、フェニルアルキルアミン系(PAA)、ベンゾチアゼピン系(BTZ)
に分類され、心血管作用が異なる。
DHP系は、血管選択性が高く、主に高血圧治療薬として用いられる。
PAA系(ベラパミル)は心筋選択性が高く、心収縮抑制作用、自動能抑制作用、房室伝導抑制作用をもつ。
BTZ系(ジルチアゼム)は上記2つの中間の作用を有している。

T型Caチャネル

存在部位:特殊心筋、血管平滑筋、副腎
機能:ペースメーカー、収縮
特徴:洞結節に存在しペースメーカーの働きに関わる。

N型Caチャネル

存在部位:交感神経終末
機能:神経伝達物質放出
特徴:ノルエピネフリンなどの放出に関わる。

代表的なCaチャネル拮抗薬

まだ他にもありますが今回は自身の使用歴のある薬剤に絞らせていただきました🙏

降圧剤の中でも1番持ちられているCa拮抗薬、同じ作用機序でもそれぞれの特徴によってローテーションされることがありますよね!
その理由について少しまとめてみました💪
※患者背景や診察時の会話はフィクションです。実際にあったものとは異なりますのでご理解ください。

アムロジピン錠⇨シルニジピン錠

健康診断などで高血圧症が指摘されファーストチョイスでアムロジピンが出ることはよくあると思います!
そんな患者様が数回来局された時、突然アムロジピンからシルニジピンに切り替えがあったなんてことはよくあるんじゃないでしょうか?

解説:
アムロジピンなどのL型Caチャネル拮抗薬は細動脈血管は拡張するが細静脈血管は拡張しないため浮腫が起こりやすい。
そのためN型Caチャネル拮抗作用もあるシルニジピンに切り替えることで浮腫の副作用が軽減ないしは改善することが多い。

アムロジピン錠⇨ベニジピン錠

長期でアムロジピン錠でBPコントロール行っていた患者様。併用薬としてアトルバスタチン錠、エゼチミブ錠、クロチアゼパム錠など。
今回からベニジピン錠へ変更。理由を聞くと「胸痛があって先生に相談した。検査をしたが特に大きな異常はみられなかった」とのことでした。

解説:
胸痛はさまざまな理由で起こりますし、不整脈、逆食などの消化器疾患、ひとえにこれと決めることはできません。
しかし、今回の患者様では脂質異常症を合併しており長期的に薬剤の服用が見られます。
そのため動脈硬化やそれによる狭心症の可能性を考慮しベニジピンへの変更がなされたいう事です🙆‍♂️

Ca拮抗薬はその作用機序から弱いながらも抗血小板作用がありますがその中でも
ベニジピンには「血管内皮障害の改善効果」が認められた論文が国内外にあります。
そのため動脈硬化などの初期症状である血管内皮障害を改善したことで胸痛が改善したと言うことですね!

L型⇨T型N型または2剤以上の併用

先ほどサブタイプがある述べたようにそれぞれに特徴があります。
RA系阻害薬では臓器保護作用がありCa拮抗薬ではその作用が弱いと言われていますが
最近では2剤併用がタンパク尿減少に効果があることも示されています。
しかし残念ながらその有用性は低く、そのような意味ではRA系へ切り替えまたは併用が好ましいとされています。

いかがだったでしょうか?
降圧剤の基本中の基本であるCa拮抗薬。使用頻度もかなり高いです🙆‍♂️
必ずそれぞれのサブタイプの特徴を抑えどのような患者に適しているのか覚えておきましょう💪

ご質問はコメント欄又はTwitterのDMからお願いいたします…!
それでは…bye´ω`)ノ

コメント

  1. 病院薬剤師とも より:

    アムロジピンの浮腫は循環器担当ですが知りませんでした。勉強になりました!ありがとうございます!

タイトルとURLをコピーしました